皆さんは、日本に古くから伝わる「六曜」についてご存知でしょうか。
一般的に、週には月曜日や火曜日といった7つの曜日がありますが、六曜はこれとは異なる概念です。
7つの曜日は、太陽、月、そして五惑星に由来する「七曜」に分けられ、それぞれが一週間の日々を形成します。しかし、六曜は七曜とは全く異なるものであり、共通するのはカレンダーに関連している点のみです。
では、六曜とは具体的に何を指し、どのような背景があるのでしょうか。この記事では、その概要に迫ります。
【六曜の概要】
カレンダーを見ると、「大安」「仏滅」「友引」といった特別な言葉が日付や曜日と共に記載されているのを見かけることがあります。
これらは六曜を示しています。
六曜には大安、仏滅、先勝、友引、先負、赤口の6つがあり、それぞれが異なる意味を持ちます。
これらは「暦注」として知られ、陰陽五行説や十二支に基づいて、その日の吉凶や運勢を判断するために用いられます。
特に、結婚式や葬儀といった冠婚葬祭の日取りを決める際に重宝されてきた伝統的な概念です。
明治時代には迷信と見なされ使用が禁止された時期もありましたが、民間の強い要望により、その後も継続して使用されています。
しかし、最近では特に若い世代を中心に六曜の重要性は薄れ、あまり知られていない文化となりつつあります。
「先勝」の意義と読み方について
「先勝」は、「せんしょう」「せんかち」「さきかち」などと読まれ、早い行動によって勝利を得ることを意味します。
特に、午前中は吉とされるものの、午後2時から6時までは凶とされるため、注意が必要です。
大安が人気で予約が取りにくいため、車の納車など縁起を担ぐ行事には先勝の日が選ばれることもあります。
「友引」の意義と読み方について
「友引」は「ともびき」と読み、友人を不幸に巻き込む意味を持つとされています。
この言葉は元々、「共引」という言葉で、競争や勝負が引き分けになることを意味していましたが、時が経つにつれて意味が変化しました。
友引は大安の次に来る吉日であり、午前中は吉、正午は凶、夕方は大吉と、時間帯によって運勢が変わります。そのため、結婚式などは午後を避けて行われることが多いです。
しかし、新車の引き渡しは「友を轢く」という言葉遊びから、吉日であっても避けられることがあります。
また、友引に葬儀を行うと「友をあの世へ誘う」とされ、伝統的には火葬場が休業する日でした。しかし、最近では六曜を重視しない傾向があり、仏滅に結婚式を挙げるのと同様に、友引の日に火葬を行う人も増えています。
「先負」の意義と読み方について
「先負」は「せんぶ」「せんぷ」「さきまけ」と読まれ、早く行動することで不利になることを意味します。
先勝の反対であり、この日は急いで何かを決めたり、外出を控え、穏やかに過ごすことが推奨されます。
特に午前中は不運が予想されるため、行動は午後にすると良いでしょう。
「仏滅」の意義と読み方について
「仏滅」は、「ぶつめつ」と読み、非常に不吉な日を意味します。
何をしても良くない結果になると考えられ、結婚式や結納を避けるべき日とされています。しかし、仏滅に結婚式を行うことで費用を抑えられるという結婚式場もあり、特に若い世代に選ばれることがあります。
また、仏滅を「物が滅び新しく始まる日」と捉え、大安よりも良い日と考える人もいます。このように、解釈によって意味が変わることが特徴です。
「大安」の意義と読み方について
「大安」は、「たいあん」と読み、「大いに安らか」という意味を持っています。この日は、何を行っても良い結果に結びつくとされ、六曜の中でも特に吉日として扱われています。
結婚式や結納など、重要な行事をこの日に行う人が多いことから、大安の人気が伺えます。
また、新しいことを始めるのにも適しており、引越しや土地のお祭り、神社への参拝にも選ばれやすいです。さらに、政府の閣僚を決定する際にも、大安が選ばれることがあると言われています。
「赤口」の意義と読み方について
赤口は「しゃっこう」「しゃっく」「せきぐち」と読まれ、赤舌日が起源とされる日です。この日は不幸をもたらすとされています。
赤口は避けるべき日とされ、控えめに行動することが賢明ですが、午前11時から午後1時の間は若干の吉運があるとされています。
その短い時間を上手く利用することが推奨されますが、他の時間帯では特に注意が必要で、火事や刃物の事故には特に警戒が必要です。
日本の伝統「六曜」の意義と読み方のまとめ
ここまで六曜についてご紹介しましたが、皆さんいかがでしたか?
多くの人が名前は聞いたことがあっても、その具体的な意味を知らないことが多いです。
最近では六曜を参考に重要な日程を決めることは減っていますが、結婚式や葬儀などの大切なイベントで、無意識に六曜を考慮していることもあるでしょう。